涙(その1)
オリンピックに続きパラリンピックの放送が続きうれし涙や悔し涙を見ていますとこちらまでハイになってきます。本来、涙というのは悲しい時に流れるのでしょう。私は子供の時から武士の娘を自認する明治生まれの母に「男の子は生涯に2度、両親の亡くなった時にだけ泣くものだよ」と言われて育ってきました。しかし加齢のせいか最近は何でもない時に感動してつい恥ずかしながら涙ぐむことが多くなってきたような気がします。「感極まる」という言葉があるようにスポーツ選手が当人としては精いっぱいやった後の涙は人間のみが知る感情表現なのでしょう。当人はもちろん、ただ見ているだけなのにウルウルとするのはその状況を良く理解できるからなのだと思うとあながち加齢による涙腺のゆるみだけではないもう少し次元の高いものを感じたりします、これから私の人生の中で何度か流した涙のその背景を数回に分けて振り返ってみたいと思います。